ネット回線の速度表記の意味
インターネットの速度表示には「○○Mbps」という単位が使われます。よく、携帯電話会社のサイトや、フレッツなどの光回線のサイトなどに書いてある『最高○○Mbps』という表記です。
でも、たいていの場合「※数字は理論値です」という但し書きがついています。というか、書かれていなかったらそのサイトはあまり信用できません笑。
平たく言えば、「実際にはこの数字ほどは出ません」というのが但し書きの意味になります。
これをよんで「はぁ?ウソ書いてるのかよ!」と思った方もいるかもしれませんね。でもちゃんと理由があります。
書かれている数字は、理想的な条件がそろった場合にどれだけのデータが流せるかを示しているのが理論値なのです。現実の世界では回線の混雑やノイズ、アプリケーションの処理などがどうしても当然それより遅くなります。
つまり、「最高に条件が良い場合には理論上は出るけど、現実世界では色々な阻害要素があるから、実際はもうちょっと遅くなるよ」というのが但し書きの意味するところなんですね。
ネット回線できくベストエフォートとは?
実は、インターネット接続サービスの多くは「ベストエフォート型」と呼ばれる提供形態をとっています。
これまた平たく言えば、「出来るだけがんばるけど、速度でなかったり、接続出来なくても許してね」という契約形態です。
万一つながらない状態になっても基本的に文句は言えないのです。(長期間の場合は払い戻しがあったりはしますが)
一定速度が出ることを保証する「帯域保証型」のサービスも存在はしますが、価格は非常に高く、法人向けなので一般ユーザが使う機会はまずありません。なんといっても、お値段が0ひとつ分ぐらい高くなるのです…。
「できるだけがんばってね」という場合と、「絶対この数字は守ってね」という場合ではプレッシャが違いますよね?
インターネット回線でも同じことで、絶対に守れといわれると設備投資がかさむので高くなるのです。
現状の設備でまかなえる通信をみんなで分け合うことで、そこそこ安価に通信を実現しているのがベストエフォート型サービスなのです。1Gbpsや数百Mbps(理論値)といった速度を月額数千円という価格で提供するにはやむを得ないのです。
格安SIMではベストエフォートの影響は顕著
もちろんその仕組み上、利用者が集中する場所や時間帯では遅くなることは必至です。
それがより顕著になるのが格安SIMを使った場合です。多くの利用者が集中するときを基準に回線設備を用意するわけではないので、(そうしたら安くなくなります…)昼休みや夕方などに速度が低下するのはある程度はやむを得ないのです。
大手キャリアの回線もベストエフォートではあるのですが、格安SIMに比べるとはるかに余裕がある帯域(設備)を持っているということです。このあたり構造上どうしようもないので、格安SIMはある程度割り切って使うしかないでしょうね。
今日の【まとめ】
■ キャリアが提示する理論値が出ることはまずない
■ ほとんどのネット接続はベストエフォート型
■ みんなで分け合っているので集中すれば遅くなる